鎌倉にある出版社「港の人」は、
詩人の北村太郎の詩集から名前をつけて
詩集も多く出版している、静かな海辺の近くにある
出版社です。
そこから2019年11月に刊行された、
詩人の片山令子さんの随筆集が入荷しました。
「あんさんぶる」(カワイ音楽教育研究会)や
「こどものとも」(福音館書店)のふろくに綴った文章を
中心に、80年代からのエッセイを60本と6篇の詩を収録。
背筋が伸びるような真っ直ぐな言葉で、
鮮やかな記憶、本、音楽、好きなものについて、
語られています。
2018年に星になった詩人の、
残された言葉が瞬いて、読者の心に
光を届けます。
長く読まれてほしい1冊です。
私は個人的に、令子さんにお会いしたことが数度ありますが、
だいたいは喫茶店という場所でした。
国立、高円寺。
どちらも令子さんがよく行く場所でした。
音楽が流れ、木のテーブルで、
目を大きく輝かせて、話し込む。少女のようでもあり、
女優のような華やかな雰囲気ももった女性でした。
表紙の片山健さんの絵がとてもしっくりきます。
好奇心旺盛に花に向かい合う少女も、
夜に咲き誇る山百合も、
どちらも令子さんのイメージです。