絵本の新入荷のご紹介です。
フレーベル館創業110周年記念として刊行された
「世界名作絵本シリーズ」から、『マッチうりの少女』
こちらは、清らかな少女の物悲しい物語として知られていますが、
町田尚子さんの描く少女は、澄んだ瞳に美しい炎を映し出します。マッチを擦って、夜の闇に浮かび上がる、少女の束の間の夢の世界は、 きらびやかで美しく、現実との対比がいっそう際立ちます。
光と闇の中で、少女の本当の幸福を考えさせられる1冊です。町田さんの筆致、美しい光の描き方(灯りの当たる物の描写)など、
きれいでじっと眺めたくなる1冊です。冬にぴったりの絵本。町田さんのサイン絵入りが入荷しています。
同シリーズの『あかずきん』は植田真さんが絵を描いています。 緑の森の風景は瑞々しく、近年個展で発表する絵にもよく登場する、
緑の風景がまさに物語にぴったりです。青から緑へ、深閑とした森の中で咲く花のような
赤ずきんの女の子、それを付け狙う狼。
シリアスな展開も、愛らしい絵と柔らかな色で、
物語が明るい雰囲気で進みます。教訓めいた話ではありますが、どこかしらユーモラスで愛される昔話。植田さんのサイン絵入りです。