先月、島根県松江市にある湯町窯を訪ねました。
松江から、宍道湖沿いに走る電車に乗って、玉造温泉駅下車、徒歩数分。
かつて、バーナードリーチが訪れ、棟方志功が絵付けをした窯元で、
画家の牧野伊三夫さんが絵付けをするというので、
こんな面白いことはないと、飛び込みで見学させてもらったのだ。
見学の前日は小糠雨のなか、出雲大社にお参りして、
宍道湖を眺めながら、松江に戻り、夜はおでんやさんでお腹を満たした。
街のなかを湖へ向かって川が流れる、川面を走る風がここちよい。
トーストをこんがり焼いたような、あのきれいな黄色のお皿を思い浮かべ、
あの上に、どんな絵がのるのだろう、と考えるとわくわくした。
湯町窯と牧野さんの出会いは、牧野さんが参加する同人誌
『
四月と十月』24号の取材から始まっていた。
湯町窯を訪れた際に見た、事務所にかけられた全国の民芸品店の絵。
福間琇士さんのお父様が描かれたその絵に惹き付けられて
絵の話、湯町窯の話へとつながり、交流が始まる。
出迎えてくれた福間さんは手に蕗の薹を握りしめて、笑顔。
冗談めかした会話を挟みつつ、工房や所蔵の作品を見せてくれた。
棟方志功の描き文字絵皿、山下清の絵皿、古い器たち。
絵描きが絵付けをするのは、紙に描くのとは、違った趣があり
ままならさや、予想のつかなさ、そこが魅力であったりもする。

描く姿を少しだけ見せてもらったけれど、集中して目を輝かせて、
丸めた背中からは、楽しさと緊張がこぼれそうだった。
今回は、土台となるお皿に、釉薬をかけて半乾きにし、
その状態を引っ掻いて、模様をつける。

それから乾かして焼くと、引っ掻いて露出した地の色は濃い茶色に。
釉薬の残ったところは、薄い茶色〜濃い茶色、そして緑色。
抽象的な線が躍り出て、1枚1枚違った印象に。
5寸皿(直径約15cm)は6500円、
7寸皿(直径約21cm)は15000円で販売します。

写真は5寸皿、通販も可能ですので、ご希望の方はメールにて
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